嗚呼素晴らしき我が人生

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KBF MX3のレビュー

今回紹介するのはkinboofiのKBF MX3

バランスド・アーマチュア (BA)ドライバー二基、ダイナミックドライバー (DD)一基搭載の「2BA+1DD」ハイブリッドイヤホンとなります。価格はAmazonで15000円です。


◎外観面及び装着感等について

  まず、非常に綺麗なフェイスプレートが目に付きます。これだけで非常に所有欲が満たされ、「すげぇイヤホン持ってるぜぇ!!」という気にさせてくれます。

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  筐体はクリアなブルーで、中の構造が透けて見えます。こちらも非常に綺麗ですが、近づいてよく見ると中の部品と筐体の接着面?が丸見えで、これが見た目の綺麗さに若干悪影響を及ぼしているように思えました。公式の写真との差異は殆どありません。

  筐体の大きさは同社製品のKBF MK4よりはほんの少し小さめで、KBF MX2と同程度です。いわゆるイヤモニ型のイヤホンに慣れている方であれば問題なく装着できるとおもいます。私は長時間装着しても耳が痛くなるようなことはありませんでした。MMCXコネクタ付近に空気孔がありますが、常識的な音量であれば音漏れは気にするレベルではないと思います。

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◎音質面について (再生環境はOPUS ♯1S、イヤピはAZLA SednaEarfit)

  音質面は、全体的に中低音寄りであるものの、高音の抜けも良く、いわゆる「重低音イヤホン」とは一線を画する非常に優れたバランスであると感じました。箱出し段階では、全体的に音がこもって聞こえましたが、10時間程度の慣らし運転 (エージング)をしてからは明瞭度が明らかに増し、本来の力を発揮し始めました。

  高音域は抜けが良く、中低音に埋もれることはありません。これ以上主張したらやや派手すぎで、これ以上控えめになったらバランスが崩れてしまうというような絶妙なバランス感覚でなってくれます。

  中音域は高解像度かつかなり量感があり、視覚化するのであれば横に広がっているようなイメージを受けました。ボーカルは近めで、演奏に埋もれることはないと思います。メタルやラウドロックでよく用いられるデスボイス (グロウル)のエッジ感の表現が素晴らしく、この手のジャンルが好きな方ならきっと気にいるはずです。また、ギターの歪みや圧の表現も良く、演奏を前面に押し出すジャンルや曲との相性は抜群といえます。

  低音域も中音域と同様に高解像度かつ量感があり、締まりも良いです。深く沈み込むような低音ではないもののインパクトもそこそこで、低音好きな方も不満に思うことは少ないかと思います。


◎総評

  本製品は10000円を超える価格帯であり、気軽に手を出せる域を超えていますが、綺麗な見た目や絶妙な音のバランスを考慮すれば十二分に買う価値があると考えます。kinboofiオリジナルブランドの音作りの上手さは定評があるようですが、本製品も期待を裏切らないで気になっているのではないでしょうか。バンドサウンドを好んで聴く方には特にオススメできます。 (他方で「スッキリ感がある」とまではいえないため、KBF MK4の廉価版という認識で購入すると肩透かしを食らうかもしれません)


☆KBF MX2との比較

  本製品 (KBF MX3)と同じkinboofiオリジナルブランドに、KBF MX2という製品があります。こちらは1BA+1DDという構成で、価格はAmazonで11900円です。では、両者を比較した場合どのような違いがあるのでしょうか。

  これについて、両者を比較して聴いた時に私が感じた差異は、①MX3の方が高音の抜けが良い点、及び②両者の低音の質が別物である点です。

   ①について、MX2の全体的なバランスと表現力も非常に素晴らしいものがありますが、MX3は高音の抜けの良さ、綺麗さを更にプラスすることにより、全体的な音のバランスを更にグレードアップさせているという印象を受けました。両者の価格差は約3000円ですが、この点に価格差分の「違い」を明確に感じました。

  ②について、両者の低音の沈み込みは同程度であるものの、MX3の方が量感があり、結果的にMX2の低音の方がシャープに聞こえました。この点はMX3がMX2の上位互換というわけではなく、「別物」として楽しめる点かなと思います。シャープな低音が好きな方であればMX2の方が印象はいいかもしれません。金銭的に余裕があれば両方買って比較するというのも面白いと思います。