嗚呼素晴らしき我が人生

自分の思ったことを文字にする練習として諸々のレビューをしていきたい

KZ AS16のレビュー

今回紹介するのはKZのAS16

バランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを八基搭載した「8BA」イヤホンになります。Amazonでは複数のセラーによって販売されています。私はWTSUN audioより購入しました。価格は13888円です。色は青と黒があり、私は青を購入しました。

※姉妹ブランド品で同じ8BAのCCA C16は持っていないので、比較の視点でのレビューはできないということを事前に申し上げます。


◎外観面及び装着感等について

  フェイスプレートはシンプルな銀色のデザインで、光沢感はあまりありません。KZ製品でいうところのKZ ZSN proと同様の質感です。Left,Rightの表記がありますが、この表記も控えめなのでカッコ良さも害されていません。f:id:oru_GOF:20190530225436j:plain

  筐体はクリアで中の構造が透けて見えます。しかしながら、中の白いパーツ?(詳しくは何なのかわからないのですが…)が筐体の半分程度を占めていて、クリアなデザインのカッコ良さを半減させているように感じました。正直これならクリアにしなくてもよかったんじゃないかとも思えます。

  筐体はそこそこ大きめというイメージで、ノズルも長めなので耳に合わないという方はいるかもしれません。自分に合ったイヤーピースの模索が求められると思います。私はJVCのスパイラルドット(++)との相性がとても良く感じました。音漏れは外での使用であっても気にするレベルではないと思います。公式の商品写真との差異は殆どありません。

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◎音質面について(再生環境はOPUS♯1S、イヤーピースはスパイラルドット++)

  音質面は、全体的に寒色系かつ中高音寄りで、この中高音域において8BAの「濃さ」を体感できるものとなっています。私は本製品が初の8BAでしたが、「なるほど、いわゆる多ドライバーの濃さってこういうことか!」と納得しました。他方で低音はかなり控えめで、この点は好みが分かれるところであると思います。

  高音は情報量が多めでしっかりと主張します。刺さりは無く、音数が多い曲でもしっかりと捌ききるのでとても好印象です。

  中音域は、比較的スッキリな印象を与えつつも、情報量が多く、かつ解像度も高いので8BAの魅力をしっかりと感じることができます。ボーカルは近めで鳴り、音数が多い演奏であっても埋もれることはありません。ギターの歪みや圧の表現はそれほど得意ではないという印象です。

  低音域はかなり控えめで、個人的には「必要最小限」のレベルをやや下回っていると感じました。コテコテのアニメソングなどを聴く分には特に不満はありませんが、デスコア、スラムデスなどの低音を強調するような「重い」ジャンルは完全に管轄外といってよいでしょう。この控えめな低音の影響で、初めに聴いた時に音が「軽い」と感じてしまいました。中高音域の印象が良いだけに、この部分がかなり大きな欠点に感じます。

  リケーブルについては、手持ちのケーブルではYYX4810(4芯 単結晶銅)が相性が良いと感じました。全体的に音のキレが向上し、低音のアタック感も増したように感じました。ただ、控えめな低音という弱点は克服しきれてないなという印象です。

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◎総評

  本製品は、約14000円という非常に安価な値段で8BAの音を体験できるという点でとても魅力的なものといえます。中高音域は非常にクオリティが高く、この音を味わうために1万円ちょいを出す価値があるでしょう。他方で、いわゆる「重い音楽」を好む方にとっては低音がおざなりになってると感じると思います。正直デスコアやスラムデスなどのジャンルには向いていないと断言できます。アニメソングやJ-POPなどをよく聴かれる方、低音の主張が多いのは好まないという方にはかなりオススメです。また、8BAの音を体感したい!という方も手にとって損はないでしょう。