嗚呼素晴らしき我が人生

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KB EAR F1のレビュー

今回紹介するのはkinboofi社の新シリーズ「KB EAR」のF1


バランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを一基搭載した、いわゆる「1BA」のイヤホンです。価格はAmazonで3599円で、色はブラックとブラウンがあります。私はブラウンを購入しました。



◎外観面及び装着感について

  筐体はコンパクトで、内部が透けて見えます。ブラウンはその色合いとクリアな筐体から「べっこう飴のよう」とネットで言われていますが、まさしくその通りといった見た目です。Amazonの商品写真と実物では殆ど違いはありません。f:id:oru_GOF:20190529170014j:plain


  製品の造りの精密さ、いわゆる「ビルドクオリティ」と呼ばれる点については、「値段相応」であると感じました。Twitterにて、製品内部のBAドライバーが曲がっていたり、左右で筐体の曲がり具合 (角度)が違っていたりという画像をあげている方がいましたが、私の購入したものはそこまで気になるレベルではないため、製品ごとに「個体差」があるとみて良いでしょう。

  後述の通り、音質面においては非常にクセがなく聴きやすいため、その価格帯も相まって初心者にもオススメできるイヤホンということができますが、個体差があるということは多少なりとも「博打要素」があるということを意味するため、この辺りについて理解してる方のみ購入を検討する方が良いと思います。f:id:oru_GOF:20190529170111j:plain

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  装着感については、筐体の形状的に専らイヤーピースに依存するといって良いでしょう。付属のイヤーピースがフィットしない場合は他のものを模索することになりますが、フィット感が専らイヤピ依存のため、私は他のイヤホンよりもこの模索に時間がかかりました。そういう意味では、既にある程度イヤピを所有している人の方が無難に本製品を使いこなせるでしょう。私は七福神商事の「長楽」に落ち着きました。

  また、筐体にLRの表記がなく、どちらが右左側かわかりづらいですが、どうやらKB EARのロゴが前に来るように装着すれば良いようです。


  付属のケーブルには耳掛け式のためのワイヤーやシリコンチューブによるクセがついておらず、装着方法を選べます。シーンに合わせて装着法を変えられるのは使い勝手が良くとても好印象です。



◎音質面について  (再生環境はOPUS ♯1S)

  音質面は、全体的に各音域が均等に鳴る、いわゆる「フラット」なイヤホンという印象です。全音域について過度な強調やクセはなく、ジャンルやシーンを選ばず聴き疲れない音を出してくれます。私は本製品が初1BA機であったため、他の1BAとの比較はできませんが、「え、1BAってこの価格帯でもこんなにいい音するんだ!」と驚いてしまいました。

  高音域は強調されることはないもののしっかりと聴き取ることができます。私はバンドサウンドを好んで聴くため、高音がおざなりになっているイヤホンだとどうしても「ドラムのシンバルが何やってんのかわかんねぇ……」となって若干萎えてしまうのですが、本製品ではそのようなことはありませんでした。

  中音域については、ボーカルの表現が美しいと感じました。激しい演奏の曲でも埋もれずやや近めに鳴り、また男性、女性ボーカル共に艶っぽさも多少感じることができました。他方でギターの歪みなどの表現は苦手とはいかないまでも特別良いわけではないなという印象です。

  低音域はボワつくことなく必要最小限度の量感でなります。正直メタルやロックなどを聴くにはもう少し主張をして欲しいなと思いますが、この必要最小限の低音が全体的に非常に聴き疲れないバランスのキモかなとも思うので、本製品のバランスを考えると「これでいい……いや、これがいい!」となります。



◎総評

  本製品はコンパクトな筐体や使い勝手のいい付属ケーブル、その音質の傾向などから非常に使い勝手が良く、ジャンルや聴き手を選ばない「万能機」「優等生」といえるでしょう。もっとも、上記の通り個体差という博打要素があり、その辺りの理解は求められるところではあります。また、既にイヤホンを複数所有している方にとっては「無個性」と感じる可能性もあります。したがって、使い分けができるかどうかはわかりません。

  しかしながら、どんな方にとっても「とりあえず買って損はない」イヤホンであるのではないかと私は思うので、見た目に惹かれた方、この価格帯の1BAの音を聴きたい方、その他購入を検討している方は「買い」だと思います。