上がっていく「優等生」の基準(KBEAR KS2)
どうもこんにちは。今回紹介するのはKBEARのKS2(1BA+1DD)です。こちらはKeephifi Official(https://keephifi.com/)から提供頂きました。つまり今回は案件記事です。案件という言葉は人気YouTuberみたいで気分が良くなるので積極的に使っていきます。
本製品の販売価格はおそらく3000円台になるかと思われます。色はブラックとグリーンが選べ、私はグリーンにしました。
筐体について、色は濃い目の青緑に近く、中が透けて見えるパターンです。樹脂筐体であるため、金属の高級感などはありませんが、安っぽさはなく、中々渋さもあって私は好きですね。ロゴがフェイスプレートのど真ん中にありますが、そこまでいやらしくないのも良いです。
音質面については、広めの音場で全体的にドライな音、重心が低くうねる低音が強調されてつつも、全てが「バランス型」の範囲に収まっているという感じです。
高音域については、見通しは良いけれど良くも悪くもドライ傾向で、いわゆる煌めきと呼ばれるような鳴り方はしないです。ドラムのシンバルなどの生々しさは薄いですが、曇りは感じさせず、万人に受け入れられ易い音に感じました。
中音域についてもドライ傾向で、いわゆる艶、エロさなどの言葉で表されるような鳴り方はしないと思います。しかしながら、凹まずにしっかり鳴り、ギターの歪みや圧の表現も上手いのでバンドサウンド向けという感じですね。
低音域は、本製品の中では1番強調されている部分ですね。深い沈み込みと適度な膨らみ感で、他の音域を食うことなくバランスよく鳴ってくれます。ですが、それでいて重苦しさがあまりないんですよね。どう表現していいのかわかりませんが(思考の放棄)、手持ちのイヤホンで例えるなら、セミオープン構造になっているELECOM GB3000の低音のような開放感がある低音になっています。この点は自分の中ではかなり好印象です。
箱出し時点では高音域に歪みと曇り感をかなり感じましたが、数時間の慣らし運転とイヤピ交換で完全に払拭されました。少なくとも慣らし運転は必須でしょう。イヤピはお好みですが、個人的には開口部が広いものが相性良く感じました。
リケーブルについては、とりあえずNICEHCK CT4(16芯OFC)を使用しています。音のキャラを崩さず荒さを取り除くことができて良いですわね。コネクタがTFZ(NX7)タイプなことだけ注意してください。
◎まとめ
本製品は、低音を強みとしつつもバランス型の優等生として使い勝手が良いものになっています。今までも多数優等生タイプだ!と思うイヤホンはありましたが、時を経るごとに優等生として要求されるレベルが上がっている気がしていて、まるでスポーツみたいだなぁと感じています(勝つために4回転ジャンプを1本入れるかどうか…という時代から、いつの間にか最低4回転ジャンプ3本3種類は入れなきゃねぇ!みたいな流れになっていたフィギュアスケート男子シングルみたいな)。1BA+1DDというシンプルな構成で、ライバルの多い価格帯に「ワシが真の優等生じゃオラァ!」と殴り込んできた本製品、要チェックですわよ。
HiFiMANつよい(HE400S、RE2000 silver)
お久しぶりです
HiFiMAN HE400SとRE2000 silverを購入しましたどちらも大幅値下げで購入しやすくなった商品ですね。どっちもめっっちゃつよかったんで軽く(本当に軽く)紹介したいなと
◎HiFiMAN HE400S
人生初の開放型ヘッドホンでした。ヘッドホン自体もSONYのMDR-10RC以来なので本当に久々。価格は13200円でした。
で、こいつの音がすげぇんですわ
音一つ一つの明瞭さが高く、キレも半端ない。音の傾向的には特定の音域を強調することはないけど、強いていうのであれば低音が控えめという感じ。バンドサウンドにおけるスピード感のあるギターの表現が上手いかと思えば、しっとりとした女性ボーカルもいけちゃう万能さもあります。
相性が悪いのはスラムデスとか極端に汚い音楽(褒めてます)ですかね。ドロドロ感を表現するにはちょっと音の傾向が噛み合ってないかなと
リケーブルが可能なので、NOBUNAGA Labsの吹割に替えてみました。中高域の伸びが良くなり、立体感も増しましたね。バランス接続の恩恵もあるかもしれません。
ヘッドホンにしては鳴らしやすいのが特徴で、私もiPhone XRで鳴らしてみましたが、そこまで不満がないレベルでした。この辺りの間口が広いのは他人にオススメしやすくて良いですね。
総じてかなり満足度の高い製品でした。これこそ「とりあえず買う」でも損しないのではと思います。是非!!
◎HiFiMAN RE2000 silver
某ウイルス蔓延による自粛生活で虚無感が臨界点を超えて手を出してしまったお高いイヤホン。どうでもいいけどこれからお高いイヤホンのことを「お高イヤホン」って呼ぼうかなと今書いてて思いました。
お高イヤホンといっても、こちらもかなりの値下げが以前にあったお陰で中古54000円程度で購入できました。
こいつぁやべぇぞマジで。
音の傾向としては、音場は自然な範囲でとても広く、スッキリ感と音の生々しさを両立させ、全体的にキレやメリハリが強めという感じです。この「スッキリ感と生々しさの両立」というのが個人的に驚きで、今まで自分の中では濃い音=生々しい音みたいなイメージがあったけれども、そのイメージが打ち砕かれましたね。
各音域ごとにみると、目立つのは中高域ですね。曲によっては高音の刺激を強く感じます。しかしながらこの刺激もなんだか単に「刺さる」というよりかはかなりライブ感があって逆に良い印象まであるんですよね。私はスーパー刺さりNGマンなので自分でも驚いています。
中音域はボーカル、演奏等々全てにおいて素晴らしい表現力でなってくれます。特にメタルにおけるグロウル、ガテラルのエッジ感が半端でなく、自分の耳の中にメタルボーカリストが実際住んでる錯覚に陥るほどです(これは言い過ぎかもしれません)
中高域が目立つといっても全く低域も負けていません。低域はあらゆる曲で必要とされている程度を超える沈み込みとボリュームがあります。しかしながらボワつきは一切ないので、かなりタイトな印象を受けますね。デスコアのブレイクダウンもしっかり重苦しく表現してくれる点は流石と言うしかないです。
音についてRE2000と比較した時に「軽い」という印象を受ける方が多いようですが、silver単体で評価した時には軽いという印象は微塵も感じなかったですね。私は金色の方を聴いたことがないのでその辺りの比較は出来ません。機会があれば試聴したいです。
装着感については、フェイスプレートにあたる部分のプラスチックと金属の筐体のつなぎ目が下の写真のように若干ズレてプラスチック部分がはみ出している状態で、これが耳に当たって痛くなるという方がいるようです。私も実際角度を調整しないと耳に当たってしまい、長時間の着用はキツいです。逆を言えば角度を調節すればまぁ全然いけるレベルでした。イヤピはスパイラルドット++で問題なかったです。この辺りはだいぶ人を選ぶのだろうなぁと感じました。おそらく試聴必須といってよいでしょう。(無視聴突撃で問題なく装着できて本当に安心しました…)
遮音性は皆さんが言う通りけっこう悪かったです。
リケーブルについては、デフォルトの音のバランスを崩すのが怖くてまだ試せてませんが、何かコレだ!というのがあったら追記でもしようかしらと考えてます。
◎まとめ
HiFiMANつよい
それではまた、何かの着弾する頃に。
CTZ 32BAのレビューに満たないレベルの感想
どうもこんにちは
今回紹介するのはCTZ 32BA
その名の通り、片側16BAの製品です。Aliexpressでの購入で、値段は約42500円でした。カラバリはありません。超多BA構成かつ見た目も悪くなさそうだったので衝動買いしました。この価格帯を無試聴購入してしまった自分に驚きですわ…
◎外観面及び装着感
紫色でグリッターなフェイスプレートはかなり美麗で、CIEMのオプションにありそうな感じですね。輝き具合も変にいやらしくなくてとても良きです。
シェルは16BA搭載の割にはコンパクトで、形状も耳にフィットする感じで非常に良い。イヤピを合うものにすればかなりの方が良好な装着感になるのではと思います。音漏れも問題はないと思います。
ビルドクオリティという面では、片側だけに気泡が入っていたりと、決して良い訳ではないです。この辺りは「中華イヤホン」という感じがしますね。私は全く気にしないタチですが、抵抗を感じる方の購入はオススメしません。また、2pin端子が左側だけ異常に硬く、リケーブルをする気が起きないレベルでした。おそらくこれは個体差なのでしょうが、このようなビルドクオリティのバラつきはある意味でギャンブル要素を孕んでくるので、この辺りの理解がない方は購入しない方が良いでしょう。こちらの点に関しては大雑把な私でも看過できないなという感じです。後述の通りリケーブルをしましたが、壊してしまいそうで色々試す気にはなりませんね。
◎音質面(FiiO M11 イヤピはAZLA sednaearfit light short)
音としてはまず声が出てしまうほどに広い音場が特徴です。私の愛機のAAW AXHカスタムもかなり音場は広いと感じていましたが、本製品はそれ以上に、水平的なイメージで広い音場が味わえます。バンドサウンドにおける演奏の空間表現が抜群で、没入感は最強レベルといってよいかと思います。
音質は、特に特定の音域を強調しないフラットな傾向です。全音域必要十分に鳴り、不満を感じることはないですが、逆を言えばドンシャリ傾向やどこか尖った音が好きな方は物足りなく感じると思います。また、多BAならではの音の濃さは十二分に感じることができ、フラットではありつつも厚みのある音で曲を表現してくれます。
解像度はかなり高く、音数の多い音楽も適切にさばいてくれます。箱出し段階では全体的にモヤモヤ感がありましたが、10時間程度のエージング+シリカゲルでの除湿(防湿?)でかなり音の輪郭がはっきりして「完全体」となりました。
リケーブルについては、付属のケーブルのクオリティが悪くないのもあり、必須ではないなという感じですが、私はNICEHCK GCT4にリケーブルしています。ボーカルの表現力と演奏のキレが増し、よりライブ感を楽しめるようになりました。おそらく他にも相性の良いケーブルはあるかと思いますが、上述の通り2pinが硬すぎるため色々試すことはもうしないですね……
◎まとめ
本製品は4万円台という値段で片側16BAというロマンを感じる音を楽しめるものとなっています。この価格帯になってくると「コスパ」という言葉がどこまで適切かわからなくなってきますが、少なくとも値段相応、人によっては値段をかなり超える満足度を得られると思います。しかしながら、ビルドクオリティという面を考えると、あまり他人にオススメできないというのも正直なところですね。音のクオリティは高いので、理解のある方は突撃しても良いのではと思います。重低音至上主義の気がある私は当初あまり好みの音ではないなぁと思っていましたが、数日使ううちに本製品の音場の広さの虜になっていました。無試聴購入ですが後悔はありません。
CTZには42BAという上位モデル(15万円程度)もあるのでいずれそちらも……という夢を抱いています。
ではまた、何かの着弾する頃に。
実はサボってる間も色々買ってたのよ奥様
お久しぶりです、又ははじめまして
ここ数ヶ月ブログを書く時間的・精神的余裕がありませんでしたが、やっと…!!という感じになりましたのでメモ程度に最近買ったものを色々紹介します
◎aune BU1
初ポタアンでした。
驚くほど明瞭度が向上し、パワフルな音を鳴りしてくれます。特に多BA機やハイブリッド機との相性が良いですね。1音1音の精緻さが増して、イヤホンの真の実力が出てる感じで興奮します。今すぐ買いましょう。
◎EMPIRE EARS bravado
神です。
バイカル湖より深く沈み込む低音、及び高解像度で音を分析してくれる中高音が魅力の1BA+1DD機。低音に注目しがちだけど高音域の質感もかなり良いし、全体的な音場、音のつながりのバランスも文句がない。正直これ以上があまり想像つかないですわ。
◎SHUOER TAPE
理性的な変態。
1万円ちょっとの価格で静電ドライバーを採用しているしゅごい奴(といっても高級機のそれとは少しタイプが違うらしい)。とにかく高音域の質感と解像度が鬼のように良い。少なくとも私が持ってるイヤホンの中では1番良い。ドラムのシンバルの生々しさがもうね、えっちだよね。最近流行ってるえっちなイヤホンよりえっちだと思います。知らんけど。低音もそこそこパワフルに主張してくれるので◎ 音の繋がりだけ若干悪いのがネックか。
◎TANCHJIM OXYGEN ASANO TANCH Limited Edition
ひたすら可愛い優等生。
流石1DDというべき音のつながりの良さとパワフルさ。特にどの音域を強調するということはないが、全体的に芯が通りつつもキレがあり、みずみずしさすら溢れる元気な子。苦手なジャンルはないと思うが、元気な曲と合わせたいか。付属のイヤピとケーブルがかなり優秀なので、箱出しの瞬間そのまま一線級のサウンドを提供してくれます。ASANO TANCHなるTANCHJIMのキャラクターも可愛いくて良い。彼女の設定イラスト集的なものが同梱されているが、かなり「際どい」ものもあるので紳士の皆様は言うまでもなくマストバイ。
◎QDC URANUS
美。
まず見た目が美しい。シェルの美しさなんてもう本当しゅごい(語彙力)。ただフェイスプレートは写真よりも安っぽいですね。特に右側はネットで拾った画像貼り付けました感あってあまりよろしくない。まぁ好みなんでしょうけどね。音はかなり低音が主張する一方で全体的なフラット感はあまり損なわれていないような不思議なバランスで鳴ります。解像度は高くはないが、不満に思うほどでもないレベル。リケーブルすると音の輪郭がはっきりして、キレと情報量が上がると思います。ケーブルにもよるのでしょうが、少なくとも付属のままにしておくのはオススメできないですね。よくわからんけど無性に使いたくなる日が多いんですよね。魔性の名機です。
以上、ここ数ヶ月で買ったものメドレーでした。これら以外に心に残ってるのはNoble falconとかですね。あれもめっちゃ良いです。
1つ1つ丁寧に紹介・解説できなくてもこんな感じでTwitterの延長程度のノリでできたらいいなぁとか感じてますね。言語化することで新たな発見があるかもしれませんし、ちびちび続けていきたいところではあります。数日前にCTZ 32BAをオーダーしたので、それが着弾したらまたお会いしましょう。
NICEHCK DB3のレビュー
どうもこんにちは。今回紹介するのはNICEHCK DB3です。
NICEHCKより発売された、バランスド・アーマチュア(BA)ドライバー一基、ダイナミックドライバー2基を搭載した「1BA+2DD」のイヤホンです。Amazon販売価格は2950円です。色は青と黒が選べ(投稿時点では黒が売り切れてました)、私は青を購入しました。
◎外観面及び装着感について
筐体はコンパクトで、中が透けて見え、色は綺麗な濃い目のブルーです。水色というよりはしっかりとした青色ですね。この点は公式の商品写真(CG?)と違いはありません。フェイスプレートについてはメタリックで、これが公式の写真から想像していたよりもかなりピカピカしてます。鏡か?ってレベルでピカピカなので見た目に渋さを求める人には合わないと思います。ただ特段チープに感じるというわけではないですね。
装着感について、コンパクトな筐体のおかげで耳への収まりが良く、結構良い方なのではと感じました。音漏れは常識の範囲内であれば気にしなくて大丈夫だと思います。
◎音質面について(再生環境はFiiO M11、イヤーピースはfinal typeE)
音質面は全体的に中低域の厚みが心地よい優秀な「低音イヤホン」といった印象です。若干暖かみを感じる音で、「ウォーム系」と評価する人もいるかもしれません。しかしながら、解像度が低い訳でもこもっているわけでもなく、この辺りの音のバランスはかなり上手いなと感じました。
高音域についてはかなり柔らかめの音で、刺さり等とは無縁です。高音の質を求める方には物足りないかと思いますが、音数の多い曲であってもドラムのシンバルをしっかりと聴くことができ、決しておざなりになっているわけではないですね。
中音域は前述の通り厚みがあります。この厚みのおかげでバンドサウンドにおけるエレキギターの歪みや圧の表現はかなり良いですね。ゴリゴリと突き進むメタル曲などを聴いた時の気持ちよさは低価格イヤホンであることを忘れそうな程です。ただ演奏が前に出る反面、曲によってはボーカルが遠く感じることもあります。
低音域は本製品最大の魅力ポイントです。下方向への沈み込みと横方向への膨らみのバランスが絶妙で、他音域に被ってこないにもかかわらずかなりの量感です。繰り返しになりますが解像度が低いわけではなく音が聴き分けられるので、決して「よくわからんけどブオンブオンいってる〜なんか低音すごいのかな〜」という感じにならない点がかなりの好印象ですね。個人的な趣味になってしまいますが、本製品で聴くデスコアのブレイクダウンはまさしく「最高」です。
本製品は箱出し段階からかなり優秀な音を出してくれましたが、エージングにより中高音域の明瞭度が上がり、低音域の暴れ具合も良いバランスに落ち着きました。箱出し段階で「何だこれこもってんじゃん」という印象を受けた方はエージングを強くオススメします。
リケーブルについては、今のところNICEHCK CT1(8芯高純度無酸素銅ケーブル)に落ち着いています。全体的に芯が太くなり、本製品の良さを更に伸ばすことができました。16芯のケーブルだと若干音が緩くなってしまう印象です。中高音域を改善する銀メッキ系をつけると全体的にバランスは優等生に寄りますが、本製品の良さを引き出せてない気がします。また、本製品はバランス接続によってかなり音に立体感が生まれます。元々音場は狭くはないので、この辺りは好みであるとは思いますが、私はバランス接続の方が全然好きでした。より良い組み合わせがあったら追記します。
◎総評
本製品は3000円程度で買えるイヤホンとしてはかなり優秀な「低音イヤホン」といえるでしょう。個人的に低価格帯は「低音は控えめだけどタイトで必要最低限は鳴る、全体的にバランスの良い優等生」みたいな傾向のものが多いと感じています(単に私が買ったものがそうだっただけかもしれないですが…)。その中で中低音の厚みを武器にした本製品は周りと十分差別化できており、更には周りと比較せずまっさらな心で評価してもかなり優秀なサウンドバランスなのでとてもオススメできる製品ですね。個人的には、本ブログでも紹介したmoondrop spaceshipと本製品を買い、「優等生ならspaceship、低音なら本製品」とすれば5000〜6000円程度でかなり優秀な使い分け布陣が出来上がるのではないかなと感じました。低価格イヤホンの衝撃度でいえばspaceshipの方が上ですが、本製品もまた別の角度から切り込んでくる良いイヤホンだと思いました。これが沼か…という感じです。
最近買って良かったもの簡易報告
どうもこんにちは。前回更新から間が空いてしまったので、その期間に買ったものでこれ良い!と思ったものを簡単に紹介します。
◎final E500
バイノーラル制作された音源やゲームの再生に特化したイヤホンです。確かに定位感が良く、どこで音がなっているのかはかなり分かり易いですね。特に「前後」から音が鳴っている感じがかなり分かり易く、ゲームをする方にはありがたいかもしれません。私は寝るときに音声作品をよく聴くので、最近は毎晩このイヤホンにお世話になっています。値段も2000円程度とお買い得なのでオススメ。ただし、普通に音楽を聴く分には同社同価格帯のfinal E1000の方が私は好きですね。E1000の方が演奏を楽しめると思います。
◎NICEHCK GCT4
高純度OFHC線材使用のケーブルです。特定の音域に味付けをするようなものではなく、全体的に若干スッキリさせつつも明瞭度を向上させてくれる感じです。特段相性の悪いイヤホンが無く、とりあえずイヤホンの自力を底上げしたいときに良いなぁと感じました。Amazon販売価格は4550円ですが、セール等で頻繁に値引きされるのでそのタイミングで買うことをオススメします。つい買い増ししてしまうくらい気に入りました。
◎CCA C12(写真右)
CCAから出た5BA+1DDのハイブリッドです。Amazon販売価格5800円。こいつがマジでやばい。
解像度、音場、各音域の表現、デザイン、フィット感全ての要素で100点満点中80点以上を叩き出すような超優等生。前作?たる4BA+1DDのCCA C10と比べ、中高域の明瞭度が格段に向上しました。特に中音域にあたるギターやボーカルの表現は価格帯を考えなくても「良い」と断言できるほどですね。低音域もC10より沈み込み具合が増しており、重たい音楽も気持ちよく聴けます。しゅごい!私の普段使いイヤホンはほぼこいつになってしまっていますね…
◎NICEHCK Oalloy
UPOCCなる線材を使用したケーブルです。Amazon販売価格は13850円。中華ケーブルにしては高級な部類ですが、こいつもまたすげえンだ…
一言で言えば「圧倒的精緻」。中低域の厚みを若干増しつつ解像度が格段に向上します。この解像度の向上が半端じゃなく、私はかなり圧倒されて「聲」が出ましたね。イヤホンの音のキャラクターを崩さないのも印象が良いです。是非是非買って欲しい製品です。私は最低あと3本くらい欲しいです。
◎AAW AXHカスタム
AAWの4BA+1DD機です。人生初カスタムで大興奮しました。音は若干重心が低めでありつつも特に強調される音域はなく、若干柔らかめの音です。柔らかめの音でありつつも解像度が低いような印象は一切なく、かなり細かい音まで聴くことができます。試聴機よりも実機はボーカルが結構近く聴こえました。実機の色もカラーチャート通りで大満足です。
以上、簡易的な報告(紹介)でした。1番オススメしたいのはNICEHCK Oalloyですね。まだ購入してない方は是非!
11月中にはTANCHJIM Oxygenの限定版が来てくれる(と信じてる)のでそっちはしっかりレビューしたいなと思います。それではまた。
smabat ST10のレビュー
今回紹介するのはsmabatのST10
ダイナミックドライバー (DD)を一基搭載した1DDのインナーイヤー型イヤホンになります。外耳炎になりカナル型を使うのが辛くて思わず買ってしまった人生で2本目のインナーイヤー型です。NICEHCKより10541円で販売されています。
◎外観及び装着感について
筐体は渋い「和」を感じさせるような深緑色と黒色の組み合わせで、高級感があります。個人的にはとても好みで、所有欲が満たされます。公式の商品画像よりも実物の方が渋さがあるように感じました。
装着感について、本製品は筐体が耳掛け式を前提とした作りになっていて、付属のケーブルも耳掛け式を想定したクセが付いています。最初はこれに多少の違和感を覚えましたが、しばらくベストポジションを探るうちにかなりしっくりくるようになりました。慣れてしまえば問題なく装着することができるでしょう。
遮音性や音漏れの程度はインナーイヤー型であるため悪いですが、この点は仕方がないといえますね。
◎音質面について (再生環境はFiiO M11、イヤーパッドは付けずに聴きました)
音質は全体的にフラットで解像度が高く、かつかなりドライな傾向があります。曲を「じっくり表現する」というよりも「淡々と捌く」というイメージが適切なイヤホンであると感じました。この音の傾向が個人的にはかなり気に入っています。
高音域は全く曇りを感じさせず、クリアに鳴ります。他方で前に出すぎることもなく「ギンギン感」はありません。刺さりがかなり苦手な方である筆者でも心地よく聴けました。
中音域は上記の「淡々と捌く」イメージを1番強く感じた部分です。よく言われる「ボーカルの艶」などの表現は苦手といってよいでしょう。しかしながら、音数の多い演奏をごちゃごちゃさせずに鳴らしきる力には拍手を送りたいです。
低音域は量自体は控えめですが、独特の沈み込み感があります。耳の中で低音がドゥンと震えるのを感じるとることができ、聴いていてかなりクセになります。この低域の質は本製品の大きな魅力の1つといえます。
本製品はリケーブルが可能となっており、お好みのケーブルで音を変えることができます。また、耳掛け式のクセのついていないケーブルに変えることで普通に装着 (耳掛けじゃない装着法の呼び方がわからん)ができるかもしれません。筆者は装着に違和感があったのでできませんでした。現在筆者はNICEHCKのエナメル銅線と高純度OFC線のミックスケーブルを使用しています。全体的に明瞭度が増して本製品の力を底上げすることができていると感じます。他にも相性の良いケーブルはあると思います。
◎総評
本製品はその淡々と音を捌く性格上、濃密濃厚な音を好む方にはウケないと思いますが、音数の多い音楽を好む方やドライさを好む方は相当気に入ると思います。ヱビスビールよりスーパードライ派という方にはかなりオススメできます (ちなみに筆者はサッポロ黒ラベル一神教です)。1万円のインナーイヤー型ということで決して安くはないですが、初インナーイヤーや低価格からのステップアップにいかがでしょうか!!