嗚呼素晴らしき我が人生

自分の思ったことを文字にする練習として諸々のレビューをしていきたい

ZiShan DSDのレビュー

今回紹介するのはZiShan DSD

  低価格・高音質・改造ができるという特徴を有し、一部の方々の間では非常に有名であろうデジタル・オーディオプレイヤー (DAP)です。価格はAmazonで約17000円、Aliexpressで約11000円となっています。


◎外観面について

  プラスチックケースに本体と充電用ケーブルが入ったその状態のまま届きます。外箱や説明書等は一切なく、ある種の清々しさすら感じさせます。この時点で無理な人は無理なのだろうと思います…

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  ボディは非常にコンパクトで、大体タバコの箱と同じ大きさです。しかしながら、そのコンパクトさとは裏腹に以外と厚みがあり (少年漫画の1.5倍程度)、ズボンのポケットに入れるとかなりキツキツになります。もっとも、持ち歩きの際に許容できないような厚さではないと思います。

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  正面部分には物理ボタンが5つあり、側面にはボタンがありません。タッチパネルでもないので、操作の全てはこの5つの物理ボタンで行うことになります (詳しくは後述)。

  画面は最近のスマホと変わらないような液晶画面を採用しているものに比べれば「一昔前」感は否めませんが、発色も良く特に不満に思うことはないでしょう。

  また、micro SDカードのスロットが1つあり、内容量を増やすことが可能です。地味に2.5mmバランス端子も搭載されており、低価格でバランス接続を試すことができます。


◎操作性等について

  前述の通り、操作の全ては5つの物理ボタンで行います。説明書が無いのでこの操作は自分でいじっていくうちに覚えるしかないでしょう。基本的な操作は以下の通りになっています (まだ把握しきれていない点もあるかもしれませんが、ご了承下さい)。新たに購入された方の参考になれば幸いです。


・上のボタン:①選択 (上)、② (再生画面で)ボリューム調節、再生モード変更、及びイコライザのオンオフ切り替えをする画面(以下「ボリューム等画面」)に移動

・下のボタン:①選択 (下)、② (再生画面で)曲選択画面に移動

・左のボタン:①前の曲へ、② (ボリューム等画面で)イコライザのオンオフ切り替え、③ (曲選択画面で)1つ上のフォルダ階層に移動、④ (曲選択画面で)再生画面に戻る (長押し)、⑤ (再生画面で)ホーム画面に戻る (長押し)

・右のボタン:①次の曲へ、②早送り (長押し)、③ (ボリューム等画面で)再生モード変更、④ (曲選択画面で)1つ下のフォルダ階層に移動

・真ん中のボタン:①決定、②再生/停止、③電源オンオフ (長押し)、④ (設定画面で)ホーム画面に戻る、 ⑤(ボリューム等画面で)曲再生画面に戻る


  以上、文字にすると多少ややこしくなってしまいますが、意外と感覚ですぐ覚えられる範囲であると思います。本ブログ執筆時点で購入から約2日しか経っていませんが、既に迷わずポチポチ操作できています。ネットで検索をかけると「操作性が悪い」という意見が多く挙がってるようですが、個人的にはそこまで悪いか?という感じです。 (もちろん操作性が「良い」とは全く思いません。)

  操作に関しての決定的な欠点は「巻き戻しができにい」点でしょう。講義や会議の録音を聴く際、「ちょっとここもう一回聴きたい!」となっても簡単にはいきません。個人的にはこれが購入前に最も知っておくべき欠点だと思います。

  また、曲と曲の間の無音をなくして再生する「ギャップレス再生機能」はありません。加えて、個人的には音量の上がり/下がりの幅が大きく感じており、故に人によっては「音量9だと若干小さいけど、10だと若干大きい…」みたいな事態が生じ得るでしょう。

  このように、細かいところを詰めていけば色々他に比べて至らない点が出てくる製品だとは思います。しかしながらそれでも買う理由は、後述の音質面と改造できるという点でしょうか。


◎音質面について

  音質は、非常にドッシリとした骨太な音で、一音一音に余韻や広がりを感じるとても高品質なものとなっています。本製品には、数十万円レベルの高級機にも使われているAK4497というデジタル/アナログコンバーター (DAC)が使用されており、これが高音質の理由なのかもしれません (DACについての知識は全くないので言及はできません…)。これが本製品の1番の強みと言えるでしょう。

  上述の通り、一音一音の広がりが素晴らしいため、バラード等空間に浸らせる系統の曲との相性は抜群です。私は沢山のDAPを所持しているわけではないですが、これで1万円台は間違いなく価格破壊だといえます。他方で、「音の壁」が襲ってくるような音数が多くテンポが速い曲との相性はイマイチでしょう。ブルータルデスメタル、テクニカルデスメタルグラインドコア、ゴアグラインドあたりのジャンルをメインで聴く方はピンとこないかもしれません。

  また、本製品の骨太な音はイヤホンの音の印象をも変えてくれます。当ブログでもレビューしたKZ AS16について、私は低音が必要最低限を下回っていると感じ、どうしても「軽い」という印象を拭えませんでした。しかしながら、本製品と組み合わせて聴いてみると、私の感じていた「軽さ」が改善されてかなり好みにハマった音になりました。この他にも、何か軽いんだよなぁと思ってたイヤホンは本製品により生まれ変わったかのような音を鳴らしてくれました。

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☆改造について

  本製品の大きな魅力の1つとして、改造ができるという点があります。中の基盤を取り出し、オペアンプなどを交換することにより様々な音を楽しめるようです。私は現在「オペアンプとは何か」すらよくわかっておらず、かつ携帯のSIMカードを挿入するのにすら手間取ってイライラするレベルの不器用なので、改造に手を出すかはわかりませんが、もし改造をしたらまた手順や難易度、音質の変化などを追加でレビューをしたいと思います。


◎総評

  本製品は見た目や操作方法など様々な点でクセがあり、「万人にオススメ」はできないようなものです。しかしながら、このクセなど気にならないほどクオリティの高い音をだしてくれることも確かです。さらに改造による音質向上の途が開かられているなんて、個人的にはたまらなくロマンを感じます!!

  というわけで本製品は、コスパが良ければ多少癖はあっても良いという方、改造をしたい (している)方、ロマンを追い求める方、なんか面白そうなものに目がないという方におススメです。